SESから自社開発への転職で、最初に詰まるのは今の年次で動けるかという問いです。SES2年目で大手自社開発企業に内定を取ったケースがあり、難しいのは本人の価値ではなく求人の少なさが原因です。
2〜5年目の今が動くべき時期で、30歳でも手遅れではありません。第二新卒採用に積極的な企業は半数を超え、ポテンシャル採用の中心は20代中盤に置かれています。
現職の経歴が広く浅くでも、語り直しとポートフォリオで不利を覆せます。難易度の正体・動くタイミング・準備の進め方をここで整理します。
SESから自社開発への転職はできるのか
社会人2年目、都内の中小SESに勤めていたエンジニアが、web系自社開発企業から内定を取りました。受けた企業は東証プライム上場で社員数1000名超。その業界では最大規模の会社です。職種はバックエンドエンジニア。手前で諦める理由を探す前に、現に移れた人がいるという事実から始めます。
実際にSESから自社開発へ移った人はいる
このエンジニアは本社勤務で受託案件に入っていて、客先常駐そのものは経験していません。それでも、技術選定の裁量がなく成果物が動けばいいという現場に違和感を募らせ、自社開発を志望しました。内定は2社。そのうちの1社が、東証プライム上場・社員数1000名超のweb系自社開発企業です。
採用はバックエンドエンジニア枠。入社後は保守運用に回されるのではと懸念していたものの、面接やオファー面談を重ねるうちに、フロントもインフラも触れて若いうちからリーダーやマネジメントに挑戦できる環境だと確かめました。社会人2年目の中小SES勤務から、最大規模の自社開発企業への移動。これが起きています。
難しいのは門が狭いからで本人の価値のせいではない
SESの転職が難しいと語られるのは、SESにいた人の価値が低いからではありません。SESは採用枠に上限がない働き方です。営業が案件を取ってくれば、いくらでも人を増やせます。だから入口が大きく開いている。出口の自社開発側が枠を絞っているだけで、SES出身という事実そのものが評価を下げるわけではありません。
SESから自社開発への転職が難しいといわれる理由
どの案件でも「成果物がとりあえず動くこと」が最優先で、技術選定が丁寧に行われる現場ばかりではありません。配属された現場の事情で、できることが最初から決まってしまいます。難しいのは本人の問題ではなく、現場の構造が積み上げを妨げているからです。
客先主導の現場では開発の裁量がもらえない
客先常駐の現場では、成果物がとりあえず動けばいいという基準で案件が進みます。技術選定を丁寧に詰めることも、実装にこだわることも、モダンな技術を持ち込むこともできません。準委任契約で他社のシステムに入っている以上、納品したものに瑕疵があれば信用に傷がつくため、「環境に余計な影響を与えてはいけない」という制約が常につきまといます。
たとえば、Gitでのバージョン管理や開発ツール・ライブラリの導入を会社都合で禁じられ、webサーバの設定ファイル記述すら任されない現場もありました。バージョン管理も技術選定も、自分の裁量の外にあります。こうした環境では、与えられた仕様を実装する作業が中心になり、設計やアーキテクチャに踏み込む機会はそもそも回ってきません。
客先常駐の構造的な制約がどこから来るのか、現場ごとの当たり外れも含めて詳しく整理しています。
▶ SES客先常駐がきつい理由とは?辞めるか案件を変えるか解説
現場ガチャで広く浅くなり得意分野を言い切れない
SESの案件は、色々な仕事ができる反面、何かに特化したスキルが身につかないことがよく起こります。技術を深掘りしたいのに、現場都合で別案件にアサインされ、全く興味のない領域を担当する。こうして経歴は広く浅くなっていきます。
一方、自社開発企業の面接では「あなたの得意分野は何か」と直接問われます。複数の現場を断続的に渡り歩いた結果、いざ答えようとしても、自信を持って言い切れる軸が見つからない。担当領域を自分で選べないという現場の構造が、そのまま面接での弱みに変わります。
広く浅くになる仕組みと、現場でスキルを積みにくい理由を詳しく解説しています。
▶ SES スキルアップできないのはなぜ?現場の見極め方と動き方を解説
自社サービス企業が少なく求人の絶対数が限られる
国内のIT企業の多くは受託開発やSESを主事業としており、自社でサービスを展開している会社は限られます。
そのため、自社開発企業はエンジニアからの人気が高い一方で、求人の絶対数はそれほど多くありません。モビリティ系やSaaS系など自社プロダクトを持つ企業は、テーマが絞られているぶん「次世代開発」といった特定分野に特化した募集が中心です。応募できる先がそもそも少なく、求められる経験も絞り込まれている。SESで開発経験を積みづらいという事情に、受け皿の少なさが重なります。
SESから自社開発へ動くのは何年目がいいのか
「30歳頃でSESからの転職だと厳しいか」。26歳・社会人5年目のこの問いには、同じ状況で悩む多くの反応が集まりました。年齢とタイミングは、SESから自社開発を考える人が必ず詰まる問いです。判断の分かれ目は年齢そのものではなく、若いうちしか開かない採用枠を逃すかどうかにあります。
ポテンシャル採用が効く20代のうちが動きやすい
第二新卒採用を実施する企業の割合は52.6%にのぼります。半数を超える企業が、社会人経験の浅い人材に枠を開けている計算です。
たとえばITエンジニアのポテンシャル採用は、中心が20代中盤に置かれています。今すでに何ができるかではなく、これからどこまで伸びるかで採否が決まる枠です。実務で設計や新規開発を任された経験が少なくても、その分の伸びしろが評価対象になります。
20代のうちは、スキルそのものより伸びしろで採用される枠が開いています。30歳に近づくほどこの枠は狭まり、見られる比重が実績側へ移ります。
20代後半から30歳前後でも自社開発に移った人はいる
30代でも手遅れにはなりません。30代で自社開発や社内SEに移る人も多い、という業界経験者の見方があります。
たとえば、27歳・Java開発3年のエンジニアがSIerと自社開発のそれぞれから450万円以上の内定を得た事例があります。SES歴を抱えた27歳でも、内定は複数。
評価制度や昇給への不満から動いた人が年収を上げて移っています。20代後半から30歳前後は、年齢で弾かれる時期ではありません。動く側が「もう遅い」と思い込んで止まってしまう方が、機会の損失は大きくなります。
経験を積めないまま年数だけ重ねるのが一番不利になる
では、何が一番のリスクなのか。年齢そのものではありません。経験を積めないまま年数だけが増えていくことです。
実際に、第二新卒で動いたエンジニアが転職後にこう書き残しています。このまま前職で過ごしていたら、数年後は書類すら通らなかっただろう、と。テストやデータ入力中心の現場に長くいるほど、職務経歴書に書ける開発経験は薄いまま固まります。
不利になるのは30歳という数字ではなく、中身の伴わない年数です。
SES時代の経歴を自社開発向けの武器に変える
面接で得意分野を聞かれて言葉に詰まる。複数の現場を渡り歩いて広く浅く触ってきたエンジニアほど、この問いで止まりやすい。同じ経歴でも、見せ方を変えれば評価は逆向きに動きます。
広く浅くを異なる現場での適応力として語り直す
広く浅くを軸のなさとして語れば弱みになり、現場が変わっても立ち上がれる強みとして語れば武器になります。語る事実は同じでも、面接官に届く意味が変わる。実務外で技術力向上に努めた話、実務で意識した点、技術選定や向上に向けた提案やアクション、このあたりをしっかり話せて高く評価された人もいます。
逆に評価されにくいのは、現場名と使用言語を並べるだけの語り方です。担当した工程の一部を述べるだけで、そこで何を考えどう動いたかが抜ける。経歴の幅は事実として置き、現場ごとに何を判断したかを足すと、適応力の話に変わります。目立つ成果が積めていなくても、この語り直しは効きます。
現職で手を挙げて開発寄りの業務を取りにいく
プロパー社員が担当している仕事を、やらせてもらえないかと少しずつ頼んで取りにいく。常駐の立場でも、待っているだけでは渡ってこない業務に自分から手を伸ばす動き方です。バックエンドが主担当でも、フロントエンドの実装に手を挙げて関われば、任せてもらえる領域は広がっていきます。
こうして取りにいった経験は、面接で話せる材料にそのまま変わります。設計の議論に入った、技術選定の提案をした、その一つひとつが職務経歴書の一行を埋めていく。今いる現場でも、自社開発向けの経歴は積めます。
SESから自社開発への転職準備の進め方
働きながら冬休みだけで80時間、転職活動が本格化する前は平日3時間・土日8時間で週30時間をポートフォリオ開発に充てた人がいます。仕事の合間に積み上げた時間として、決して軽い量ではありません。準備として効いてくるのは、自分の立ち位置の確認、ポートフォリオ、コーディングテスト対策、そしてエージェントへの相談です。
まず自分の市場価値を確かめる
同年代・同職種のエンジニアがどのくらいの年収で、どのレベル感で働いているのか。これを先に確かめておくと、その後の活動の精度が上がります。
確かめ方はいくつかあります。
- 口コミサイトで同職種・同年代の平均年収を見る
- 転職サイトの診断サービスを受ける
- SNSや技術ブログで業界の動向を追う
Web上の情報だけで進める場合、信頼できる情報を選びながら集める必要があるため、それなりに時間と労力がかかります。ただし、自分の立ち位置を数字で把握してから動けば、応募先の選び方も年収の伝え方も迷いません。
技術力を示すポートフォリオを作り込む
Next.jsで作ったアプリを、AWS ECSにGitHub ActionsでCI/CDパイプラインを通してデプロイするところまでやった人がいます。ECSにデプロイした際、移行用に用意したバックエンドのサービスを動かしっぱなしにしてしまい、ある月は170ドルほどかかりました。こうした失敗も含めて、手を動かした記録がそのまま準備の厚みになります。
もっとも、その厚みは面接で細部を詰問されるために要るわけではありません。ポートフォリオの中身を細かく問われること自体、実はそれほど多くないからです。評価されたのは作る過程のほうでした。ユーザー視点で使い心地をどう良くするか、ディレクトリの分け方、採用する技術とそのバージョン、保守や運用をどう考えたか。こうした取り組みを面接で語れたことが、「自走して学習できる人だ」という評価を引き出しました。
書類選考の段階でも、作り込んだものが1つあるかないかは効いてきます。完成度の高いポートフォリオがあれば、職務経歴書だけでは伝わらない技術への向き合い方を見せられます。Terraformでインフラをコード化するところまで踏み込めれば評価はさらに上がりますが、転職活動が始まると時間が取れず、そこまでやれる人はなかなかいません。丁寧に仕上げた1つが効くのは、そのためです。
選考でコーディングテストが出る企業に向けて対策する
自社開発の選考では、設計やプログラミングの理解を測るコーディングテストが課されることがあります。アルゴリズムを書く力をその場で見られる形式です。
実際に対策に使われたのが、interviewcatとalgo-methodの2つでした。interviewcatはコーディング面接向けの教材で、企業の種類によってどんな問題が出やすいかが整理されており、leetcodeの解説も丁寧に書かれています。価格は高めですが、出題傾向を先に知れる点で投資する価値があります。algo-methodはアルゴリズムの基礎を順に練習できる教材です。テストが出る企業を受けるなら、形式に慣れておくと選考前の不安が減ります。
20代・第二新卒向けのエージェントに相談する
求人票に出ない企業の内情を知りたいなら、第二新卒向けのエージェントが役立ちます。転職を成功させた人の中には、第二新卒に向いたエージェントなしでは活動が成り立たなかったと書き残した人もいます。
得られるものは、求人票に載らない開発体制やチームの雰囲気といった企業の内情。そして、SESで積んだ経験の棚卸しです。客先で何を担当しどんな工夫をしたのかは自分では言葉にしにくく、第三者に引き出してもらうと職務経歴書にも面接にも使える形になります。加えて、気になる段階で一度相談しておくと、準備の順番が見えてきます。
自社開発に限らず、SESから抜け出す選択肢全体(社内SE・受託経由など)の違いを踏まえて動き出す手順を整理しています。
▶ SESから脱出するには?保守中心の2〜4年目が開発へ移る方法を解説!
本当に自社開発できる企業かを見極める
「自社開発」を掲げる企業であっても、実態はSESや受託開発が主要な事業である場合があります。求人サイトの肩書きや会社紹介の文言だけでは、入社後に何を担当するかまでは読み取れません。掲げている事業内容と、配属後に回ってくる仕事が一致しているか。ここを取り違えると、転職先でもSES時代と変わらない働き方が続いてしまいます。
自社開発を掲げて実態はSES・受託の企業がある
自社開発をうたう企業に入ったはずなのに、任される仕事は既存システムの保守と運用ばかり、というケースがあります。原因は企業の事業構成にあり、自社プロダクトを持ってはいるものの、売上の主軸はSESや受託で立っていて、新規開発に割ける人員は一部に限られる会社が実際にあるからです。
肩書きとしての「自社開発企業」と、日々の業務としての自社プロダクト開発は、必ずしもイコールではありません。採用ページで自社サービスを前面に押し出していても、配属先によっては受託案件のメンバーとして客先寄りの仕事に回ることもあります。掲げている事業と入社後に担当する工程は、別々に確かめておく必要があります。
開発文化が根づいているかを確認する
肩書きに頼らず実態で企業を選ぶには、開発プロセスの具体を確認するのが近道です。
- Dockerを活用しているか
- コードレビューの文化はあるか
- テストを書いているか
- 情報共有の習慣が根づいているか
- 手を挙げれば新しい領域に挑戦できる雰囲気があるか
たとえばコードレビューやテスト記述が定着している会社なら、納期だけでなく品質に手間をかける土壌があります。ただし、自社プロダクトを持っていてもこうした営みが薄ければ、開発の進め方はSES時代と大きく変わりません。
カジュアル面談やオファー面談の場は、こうした実態を直に聞ける数少ない機会です。「入社しても既存サービスの保守・運用が中心になるのではないか」という懸念を抱えながら選考を受けた人が、面談を重ねるなかでその懸念を解消しました。バックエンド採用でもフロントやインフラまで触れること、若いうちからリーダーやマネジメント側に挑戦できる環境であることを確かめた事例があります。文化が根づいているかは、求人票の文言よりも、こうした生の応答に表れます。
入社後も保守運用ばかりにならないか求人票で読む
求人票の募集要項のうち、まず読むべきは仕事内容の欄です。記載されている業務が、テストや運用・保守といった下流工程に偏っていないかを確認します。次に見るのがスキル要件の欄で、求められる水準が極端に低く設定されていないか。要件が低すぎる募集は、入社後も誰でもできる作業を割り振られる前ぶれです。だから、仕事内容とスキル要件の二つを突き合わせて読む。実質的な開発業務に携われる環境かは、この読み合わせで見えてきます。
SESから自社開発への選考はどう進むのか
書類選考と面接では、企業が確かめたいことがまるで違います。書類は何度も落ちたのに、通過した後の面接は全勝だったというケースがあります。書類で見られる点と、面接で見られる点は異なります。フェーズが変われば、評価軸も変わります。
書類は落ちる前提で数を出す
書類は落ちるものと捉えて臨んだ人がいます。応募24社のうち書類が通過したのは8社。打率にすれば3割前後で、「10社中1社とおれば悪くない」という構えで動いていました。
100社応募して1〜2社内定が出ればいいくらいの気持ちで臨んだ人もいます。書類落ちをいちいち気に病まない構えです。
もっとも、書類で落とされる回数は面接の評価とは関係しません。このケースの通過率は3割ほどですが、書類選考はそもそも通りにくいものだと捉えておくと落ちても活動を続けやすくなります。数えるべきは落ちた数ではなく、応募した母数です。母数を増やさなければ、通過する社数も増えていきません。
面接では志望動機より転職の軸の整合性が見られる
面接で問われるのは、磨き込んだ志望動機よりも転職の軸のほうです。志望動機はほとんど聞かれなかった、という経験者がいます。
問われたのは、どんな軸で動いているのか、今どういう企業を探しているのか、そのためにどんな行動をしているのか、この3点でした。この3つに筋が通っているかを見られます。志望動機を暗記しても、軸と行動がちぐはぐなら通りません。逆に軸が一貫していれば、定番の志望動機を用意していなくても評価されます。
技術力以上にコミュニケーションが評価される場面がある
書類通過後の面接通過率が100%だった人がいます。本人が準備したのは技術的な対策が中心で、コーディングや設計の問いを想定していました。ところが実際に高く評価されたのは、技術力よりコミュニケーションのほうでした。
結論から端的に話す受け答えが効いた、という本人の分析です。準備した技術そのものより、伝え方が通過を後押ししたという見方です。
もっとも、これは技術が要らないという話ではありません。コーディングテストや実務経験を重視する企業もあります。ただ、面接の場で伝わる話し方は、評価を一段押し上げる材料になります。
自社開発に移った後に直面しやすいギャップ
入社当初、製品理解の勉強量が足りなかったと書き残した転職者がいます。スキルさえあれば移ったあとは順調に走れる、というわけではありません。自社開発はスキルに加えて自社製品の深い理解が前提になり、そこを詰めずに入ると最初の数か月で立ち止まります。今の時期に動くなら、移った先で待っている壁も先に見ておく必要があります。
自社製品の深い理解がないとコードが読めない
移った直後、自社製品を知らないと読めないコードが多いことに気づきます。SES時代は与えられた仕様の範囲を実装すれば足りましたが、自社開発のコードは製品の歴史や設計思想が前提として埋まっています。なぜこのテーブル構成なのか、なぜこの処理が分岐しているのか。製品の成り立ちを知らないまま読むと、一行の意味が取れません。
製品理解の勉強量が足りず、もっと早くキャッチアップしておけばよかったと今でも思う、と書き残した転職者がいます。スキルと自社製品の深い理解はセットで、片方だけでは戦力になりません。コードを読む前に、その製品が何を解決するために存在するのかを追う時間が、最初の壁になります。
工数見積もりから実装まで自分で管理することになる
前職ではExcelやPowerPointでの管理が当たり前だったのに、自社開発の現場ではNotionやJira、GitHub、Figmaで開発が進みます。変わるのはツールだけではありません。仕事の任され方が根本から変わります。SESでは決められたタスクをこなす役割が中心でしたが、自社開発では工数見積もりから実装、テストまで自分で管理する範囲が広がります。
仕様理解が甘いまま進めて周囲に迷惑をかけた、という経験を書き残した人もいます。見積もりを自分で立てる以上、仕様の取り違えはそのまま遅延を生みます。タスクを受け取って終わる働き方と、タスクの幅から自分で決める働き方。2〜5年目の今この差を縮めるなら、30歳でも遅すぎることはありません。
SESから自社開発への転職でよくある質問
SESから自社開発への転職は30歳だともう手遅れですか
30歳を理由に動けない状況はありません。
年齢よりも問われるのは、経歴に開発経験の中身があるかです。スキルが積み上がっているなら、30代での採用事例は業界内にあります。気になる段階で現在地を確かめておくと、動き出すべき方向が定まります。
SESで持っている資格は自社開発の転職で役に立ちますか
Java GoldやデータベーススペシャリストなどHighレベルの資格は、面接では話題になりにくいものの、書類段階で努力の証跡を示す素材にはなります。
ただしポートフォリオや実務経験に比べると評価の比重は低く、資格単体で選考を通過させる力はありません。
ポートフォリオがないと自社開発への転職はできませんか
ポートフォリオがない状態で書類選考に通るのは難しく、特に第二新卒・SES出身の場合は技術への向き合い方を見せる素材として使えます。
作れていない場合は、コーディングテストの対策や難関資格の取得で代替する手段もありますが、書類段階での通過率に差が出るのは避けがたいです。
SESから社内SEへの転職とどちらが現実的ですか
自社開発と社内SEは求められるスキルが異なり、どちらが合うかは現職での担当工程や経験の方向によって変わります。
設計・開発の経験を積んできた場合は自社開発の求人要件と合いやすく、業務系システムのサポートや運用が中心だった場合は社内SEのポジションが経歴に合います。
小規模な受託開発の会社を経由したほうが経験を積めますか
SESから直接自社開発を狙いにくい場合、小規模な受託開発の会社を踏み台にして開発経験を厚くしてから再度転職するルートがあります。
ただしその分、転職回数が増えて次の選考で説明が必要になるため、受託会社で何の経験を積むかを先に整理してから動くかどうかを判断するのが無難です。
まとめ
SESから自社開発への転職が難しいと言われるのは、本人の価値が低いからではなく、自社サービスを持つ企業の求人がもともと限られているからです。客先主導の現場で開発の裁量を得にくく、経歴が広く浅くなりやすいという事情も重なります。それでも、現に移った人はいます。
動くタイミングは、2〜5年目の今です。ポテンシャル採用が効く20代のうちは年次そのものが武器になり、30歳を迎えても手遅れにはなりません。むしろ不利になるのは、経験を積めないまま年数だけを重ねることのほうです。
やることの順番は決まっています。まず同年代のエンジニアが今どのくらいの年収で働いているかを確かめ、ポートフォリオで開発意欲を見せ、書類は落ちる前提で数を出す。広く浅くの経歴も、異なる現場での適応力として語り直せば武器に変わります。一人で抱えるより、20代・第二新卒に強いエージェントに棚卸しを手伝ってもらうところから始めると、動く手順が整います。