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2026年6月8日
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SES業界研究

SESはやめとけは本当か?1〜3年目の抜けどきを解説!

ITの求人の大半がSES案件で、抜けたくても選択肢がないという詰み感があります。やめとけが本当かどうかは、今の会社がやばい側かどうかで答えが変わります。

SESは一律でダメな業態ではなく、会社と案件の差が大きい仕組みです。給与・配属・待機・年齢の4軸で問題が出やすく、3年を目安に抜けどきを測ることが判断の分かれ目になります。

今いる会社がやばい側かを求人票と待機保証で確かめる方法、抜けた先で仕事や年収がどう変わるか、経験者が実際にやることの順で解説します。現状を踏まえて抜けどきを判断してみてください。

SESはやめとけと言われる理由

IT業界の求人を見ると、大半がSES案件です。そのためSESを避けようとしても選択肢がないという詰み感を覚える人もいます。ただ、やめとけと言われる理由は業界全体の問題ではなく、給与・配属・待機・年齢という4つの軸で見ると、それぞれ業界の仕組みから来ています。

多重下請けで給与が上がりにくい

駅で出迎えた担当者に連れられ、途中で別の会社の営業に引き渡される。その担当者がさらに別の会社の人間に受け渡す。7次受けの現場では、実作業に就く前に6社の営業を経由します。

受注金額はその都度薄くなります。中間で差し引かれるマージン率は発注額の10〜30%とされており、階層が増えるほど末端に回る金額は減ります。SESはSIerの下請けとして案件を受注することが多く、この重なった階層は避けられません。

そのため、新卒でSES企業に就職した場合も未経験からSES企業に転職した場合も、年収は300万円前後になりがちです。準委任契約は成果物ではなく労働時間に対して報酬が支払われる建付けのため、現場で成果を出しても給料に反映される仕組みになっていません。

厚生労働省の調査によると、情報通信業の離職率は12.8%です。この数字と、給与が上がりにくい仕組みは無関係ではありません。

配属を選べずスキルが伸び悩む

最新のクラウド技術を学びたいと思って入社しても、実際に配属されるのは古いシステムの保守案件です。配属先を決めるのは会社であり、本人の希望する技術領域に進める保証はありません。

テストケースをつくったあとはひたすらテストをこなすだけ、という案件が続くと経験値が増えません。下流工程にばかり連続してアサインされると、経験年数に対してスキルが伴わない状態になります。ところが、配属先が変わっても新しい現場でスキルアップできるかどうかは分からず、案件先の特徴次第で同じような業務が続きます。スキルアップできるかは常駐先次第です。

たとえば、開発に携わりたいと入社したのに、いつまで事務仕事を続けなければならないのかと悩む人もいます。同期に話を聞くと同じように悩む人が多く、すでに辞めた人もいます。

待機になると収入が下がる

案件が切れると、次が決まるまで社内待機になります。多くのSES企業では基本給は支払われますが、案件稼働中に支給されていた手当は出ません。そのため、給料が目に見えて減ります。

待機期間中は実務に関われないため、社内で自習するか何もやることがない状態が続きます。案件がいつ決まるか見通しが立たないまま収入の不安が重なり、スキルも止まったままです。待機期間が長引けば、退職を求められる状況にもなります。

年齢が上がると単価で外される

SESで働き続けると、年齢が上がるにつれてアサインされにくくなるのか、という疑問があります。

実際に、30代後半になると派遣先がなかなか決まらないことが増えます。クライアントの視点では、同じ単価なら若手を選ぶ判断が合理的に働くからです。若手のほうが新しい技術を吸収しやすく、育てる余地もあります。そのため、会社から自主退職を求められる状況も出てきます。

一方、30代後半になると他社では管理職に昇格する人も増えます。客先常駐を続けている間に、周囲との給料の差は縮まりません。ただし、単価が上がり続け、待遇にも反映されているなら状況が異なります。

今いるSESがやばいかの見分け方

今の会社の求人票や採用ページを見れば、そこがやばい側かどうかをある程度自分で確かめられます。勤務地の書き方、オフィスの規模感、自社サイトの募集内容、待機中の給与保証。この複数のサインを実際に確認するだけで、会社の体質が見えてきます。

求人票の勤務地が23区内など曖昧

求人票に「東京都23区内」「本社または東京都内」「プロジェクト先」としか書かれていない場合、その会社は客先常駐前提の案件設計になっています。

自社開発の会社であれば、勤務地は「渋谷区〇〇ビル」と番地まで書けます。書けないのは、次の常駐先がまだ決まっていないか、常駐先の変更が前提になっているからです。勤務時間の欄も「プロジェクト先による」「客先により異なる」という表記になっているケースが多く、これも同じ理由です。

ただし、勤務地の曖昧さは、どこで働くかを隠しているわけではなく、業態上どこで働くかを確定できないという実態を反映しています。首都圏勤務がある程度の幅で受け入れられる人には許容範囲です。特定の沿線や通勤時間に制約がある場合は、「23区内」で最遠方の現場に送り込まれるリスクを想定しておく必要があります。

社員数の割にオフィスが狭い

従業員100名の会社に100名分のデスクが用意されていない。この光景はSESではごく普通の状態です。社員のほとんどは常駐先にいるため、自社オフィスにはほぼ誰もいません。

たとえば、Googleマップのストリートビューや航空写真でビルを調べると、マンションの一室規模のオフィスで社員数が100名以上という会社が出てきます。グループ展開している場合、一見すると広さがあるように見えても、グループ全体の社員数で割ると1人あたりのスペースが極端に狭くなることもあります。

採用ページに「広々としたオフィス」と書いてあっても、入社後にそのオフィスへ出社する機会がほとんどないなら、実際的な意味はありません。

自社サイトでパートナーを募集している

ホームページや求人広告に「パートナー募集」「ビジネスパートナー募集」という記載がある場合、その会社は複数の会社からエンジニアを集めて案件にアサインするモデルを動かしています。

SES企業はクライアントとエンジニアをマッチングさせる業態のため、ビジネスパートナーが増えるほど収益の上限が広がります。だから、自社採用だけでなく外部のパートナー会社経由でも頭数を確保しようとします。

自社に直接雇用されているエンジニアであっても、実態として多重下請けの中間に位置することになりかねません。もっとも、パートナー募集の記載がない会社でも多重下請けに入っている場合はあるため、これはひとつのサインです。

待機中の給与保証を答えられない

案件と案件の間に発生する待機期間について、担当者に「待機中はどうなりますか」と聞いたとき、何%かを答えられない場合は体質が出ています。

労働基準法26条により、使用者都合の休業では平均賃金の60%以上を支払う義務があります。待機期間はこれに当たるため、60%は法律上の最低ラインです。優良とされる会社では100%保証しているところもあります。

実際に、基本給だけになる、社内で教材を読んで過ごす、やることがなく時間を持て余すといったケースが起きることがあります。これが数週間から数ヶ月続くと収入が落ち込み、精神的な負担も軽くありません。内定後の条件確認の場で、待機期間の給与保証を何%かという数字として引き出せるかどうかが、その会社の透明性をはかる手がかりになります。

現場が何次請けか分からない

自分が今いる現場が何次請けなのかを営業担当に聞いて、答えが返ってこない場合は、その状況自体がサインです。

3次・4次と重なると、エンジニアが現場に意見を出しても間に入る複数の会社でその声が止まります。そのため、報酬から各社がマージンを取っていくだけでなく、現場の状況がSES会社に正しく届かないことも起きます。何次請けかを答えられない、あるいは答えようとしない会社は、現場の実態を透明にしようとしません。

SESを抜けた先で何が変わるか

客先常駐のSESエンジニアは、設計工程など責任ある業務に関われないまま年数が経過します。事業会社に移ると、自社サービスの設計から開発・運用まで一貫して携わる立場になります。仕事の性質だけでなく、技術の積み方そのものが変わります。

事業会社で上流から関われる

客先常駐では、プロジェクトの一部フェーズだけをピンポイントで担うのが前提になっています。設計や要件定義はクライアント側のエンジニアが行い、SESエンジニアが関われる範囲は実装やテストに限られる現場が大半です。客先常駐は上流の設計工程など責任ある業務に関われないという状況が、構造として変わりません。

事業会社に移ると、自社サービスを企画・設計・実装・改善するサイクルが仕事の中心になります。設計段階から議論に加わり、プロダクトの方向性に関わる判断を重ねていく環境は、SES時代と根本的に異なります。技術選定や仕様決定にも意見が通るため、コードを書く以外の判断経験が積み上がります。

ただし、事業会社の求人票を見ると、上流工程への参加には実務経験が要件として明示されているケースも多いです。SESでの工程が下流中心であれば、移る前に担当した技術領域を整理しておく必要があります。

一つのプロダクトに腰を据えられる

SESでは数ヶ月で常駐先が変わることも少なくありません。案件ごとに勤務地や勤務時間がプロジェクト先による状態が続く間、一つのプロダクトを育て続ける経験はなかなか積まれません。現場が変わるたびに技術スタック・ルール・人間関係がリセットされ、エンジニアは都度ゼロから入り込んでいきます。

それに対して事業会社では、同じサービスを継続して担当します。機能追加、バグ修正、パフォーマンス改善、リファクタリング。プロダクトのコードベースを深く知っているからこそ対応できる問題があり、そこに関わり続けることでしか得られない経験があります。数ヶ月後に自分が書いたコードを読み返す場面は、SESの現場では生まれません。

経験次第で年収が動く

SESでは単価が上がっても給料が上がらないケースがあります。評価制度が曖昧で、単価と給与の連動が設計されていない会社では、現場での貢献がそのまま年収に反映されません。

事業会社での年収の動き方は異なります。未経験32歳で入社してから年収300万から680万まで上がった事例があります。SES時代の年収帯と比べると、倍以上の水準に到達しています。この幅は単純な給与テーブルの違いだけでなく、担当工程の違いと評価制度の設計がまとめて反映された結果です。

もっとも、事業会社に移れば自動的に年収が上がるわけではありません。担当できる工程の幅と、実装から設計まで通じた実績があって初めて査定が動きます。SESでの経験をどこまで言語化して説明できるかで、移った先での処遇が変わります。

SESから抜けるために経験者がやること

やるなら3年と期間を決めてやるのが吉、という言葉があります。客先常駐8年の経験者が区切りとして記したもので、担当工程の棚卸しから動き出す流れもその記録に続きます。抜けると決めた人がやることは、この時間軸の確認が最初の動きになります。

3年を目安に抜けどきを見極める

3年くらいを境に成長が鈍化を感じるようになった、中級者程度でスキルが頭打ちになった——客先常駐8年の経験者がそう書き残しています。機械系とIT系を合わせた8年の中で、IT3年が一つの境界として機能したという記録です。

3年の実務経験があると、未経験のときと打って変わって多くの企業から転職のお誘いがかかる、という事実も同じ記録にあります。成長が鈍り始めるタイミングと、外からの評価が高まるタイミングが重なる時期が、だいたい3年前後に来ます。

ただし、3年は一律の締め切りではありません。案件の質・会社の支援体制・本人が触れている技術領域によって、1年半で頭打ちになる現場もあれば、4年目に設計寄りの業務に移れる現場もあります。契約は基本3ヶ月単位で動くため、自分の案件が更新のたびに同じ内容を繰り返しているかどうかが、一つの判断の物差しになります。

担当した工程と技術を棚卸しする

抜けると決めたら、過去の案件ごとに担当した工程と使った技術を書き出します。Javaだけでも内定5社、という転職体験記があります。バラバラに見える複数案件の経歴も、使った言語や工程を整理すると、採用側に渡せる形になります。

書き出す際は案件ごとに「工程(要件定義/設計/実装/テスト)」「言語・ツール」を埋めます。10年勤務した経験者の記録には、協力会社や他部署との折衝や開発予算の管理まで担当した、という記述があります。テスト業務しかやっていないと思い込んでいても、周辺業務に目を向けると見せられる経歴が増えることがあります。

実際に書き出してみると、下流中心の年数が長くても使用技術の積み上げが見える人と、案件ごとに技術がリセットされてしまっている人で、整理後の密度が変わります。

下流中心の経歴を面接でどう説明するか

テスト・保守・下流実装がほとんどという経歴で面接に臨む場合、事実を隠すより周辺業務の幅を具体で示す方が有効です。10年勤務者が協力会社や他部署との折衝や開発予算の管理まで担当した、という経歴はその典型で、テスト工程の案件でも設計書レビューへの関与や顧客対応の補助が記録に残っていれば、経歴に載せられます。

面接で問われやすいのは、上流の経験がないのに自社開発で何ができるか、という点です。これに対しては、下流で複数案件を渡り歩いた中で見えた仕様の不整合を上位工程にフィードバックした経験、テストから逆算した設計の読み方など、下流から見た視点を具体の業務名で説明できると、説得力が上がります。

もっとも、見せ方を整えても下流のみの年数が長い場合、書類選考で苦戦する現場は残ります。応募先の求人票で求められる工程の幅を先に確認してから書類を送ることで、選考通過後のアンマッチを減らせます。

転職エージェントで現状を診断する

今のスキルでどんな求人に届くかを自分一人で正確に測るのは難しいです。SESにいる間は他社の採用基準に触れる機会がなく、自分の経歴の評価軸がずれたまま動き出すリスクがあります。

そのため、エンジニア転職に特化したエージェントへの登録は、まず現状の確認から始められます。3分の無料診断で今どの求人レンジに届くかを確認する一歩は、その後の棚卸しと面接準備の方向を決める判断材料になります。棚卸しが終わっていなくても、現状の経歴で何が見えてくるかを先に知っておくと、次に書き出す項目の優先度が変わります。

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それでもSESを続けたほうがいいSES経験者

案件選択制度が機能しているSES企業では、上流案件へのアサインが現実の選択肢になっています。単価が上がっても給料が上がらないケースが多いなか、待遇への反映が実際に起きている企業も存在します。全員が抜けるべきかというと、そうではありません。

案件選択制度で上流に近づけている

エンジニア自身が案件を選択できる案件選択制度を導入している企業では、常駐先を選べない状況とは環境が異なります。スキルや実績が積み上がるにつれて選べる案件の幅が広がり、下流工程から上流に近い案件へ移れる現場があります。

ただし、制度が機能しているかどうかは企業ごとに差があります。制度として掲げていても、実態として希望が通る案件が限られている会社もあります。営業担当がエンジニアの要望をどこまで聞く体制か、実際のアサイン実績を確認したうえで判断するほうが確かです。

1〜3年目の段階で上流に近い案件を任されている、または次の案件を複数から選べる状況にあるなら、今のSES企業を続ける判断にも根拠があります。

単価が上がり待遇に反映されている

SES業界では単価が上がっても給料が上がらない状況が目立ちます。ただし、エンジニアに単価を開示する単価評価制度を導入している新SESと呼ばれる企業群では、受注単価の上昇が昇給に連動する仕組みを整えている会社もあります。

自分がいる会社で、案件単価が上がったタイミングに昇給が実際に発生したなら、制度として機能している状態だと判断できます。逆に、単価が上がった事実を確認できるのに給与が据え置きのままであれば、連動していない状態です。

単価への反映が数字として確認できている経験者は、今の環境を維持しながら条件を上げていく選択も実際の判断として成り立ちます。

SESやめとけに関するよくある質問

SESはほとんどの会社がそうだと聞くが、避けようがないのでは?

IT求人の多くがSES案件であることは事実ですが、自社開発・SIer・事業会社のエンジニア職は選択肢にあります。

SESを避けるのではなく、今いる会社がやばい側かどうかを見極め、抜けどきに動くほうが手の届く方向です。

SES1〜2年目でも転職できる?

1〜2年目でも転職市場に出ること自体は可能で、書類選考を通過する事例はあります。

ただし、担当した工程が下流のみで技術の積み上げが薄い段階だと、応募できる求人の幅が狭くなります。転職エージェントで現状のスキルがどの求人レンジに届くかを確認してから動くと、選考の見通しが立てやすくなります。

▶ 現在のスキルで届く求人レンジを確認する

準委任契約とSES契約と派遣契約は何が違う?

SES契約は準委任契約として締結されることが多く、エンジニアを特定の業務に従事させることを目的とした契約です。

派遣契約と大きく異なるのは指揮命令権の所在で、派遣では客先が直接エンジニアに業務指示を出せますが、準委任では指揮命令権が雇用元のSES会社に残ります。準委任でも客先が実質的に指示を出している現場があり、その場合は偽装請負に当たります。

新SESなら案件を選べるって本当?

新SESと呼ばれる企業群では案件選択制度を設けている会社があり、常駐先を一定の範囲で選べるモデルを運営しています。

ただし、制度を掲げている会社でも実際に希望が通る案件の数は会社ごとに差があります。入社前に過去のアサイン実績や営業担当の対応体制を個別に確認しておくと、制度が形式だけかどうかを見分けられます。

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